相続税調査は「実地」だけではない――追徴税額は過去最高に
近年、相続税の税務調査による追徴税額が過去最高となったことが国税庁の発表で明らかになりました。
注目すべきは、税務署職員が自宅などを訪問する「実地調査」だけでなく、書面や電話、税務署への来署依頼などによる「簡易な接触」が大幅に増加している点です。
この「簡易な接触」は、コロナ禍前と比べて約2倍に増えており、結果として追徴税額の増加につながっていると考えられます。
相続税は、他の税目に比べて申告件数に対する調査割合が高いのが特徴です。申告内容に不備があると、思わぬ税負担が生じる可能性があるため、事前の十分な準備が重要になります。
2024事務年度の相続税調査の実態

国税庁が公表した「令和6事務年度(2024年7月~2025年6月)相続税の調査等の状況」によると、
- 実地調査による追徴税額:824億円(前年度比12.2%増)
- 簡易な接触による追徴税額:138億円(同13%増)
- 合計追徴税額:962億円
となり、簡易な接触の実績が公表されるようになった2016年度以降で最高額を記録しました。
実地調査1件あたりの申告漏れ課税価格は約3,093万円、追徴税額は約867万円と、1件ごとの影響も決して小さくありません。
調査手法は「訪問」から「非対面」へシフト

実地調査の件数は9,512件と前年度より増加したものの、コロナ禍前の水準にはまだ戻っていません。
一方で、簡易な接触は21,969件と過去最多を更新しました。
かつては実地調査の方が主流でしたが、現在は完全に逆転しており、
国税当局が効率重視の調査体制へと移行していることがうかがえます。
簡易な接触は、
- 申告が必要と思われる方
- 財産評価や計算に誤りがある可能性が高い方
を中心に行われます。「訪問されていないから大丈夫」という時代ではなくなっている点には注意が必要です。
相続税申告こそ、専門家による事前対策が重要です
国税当局は、形式にかかわらず相続税の不正や申告漏れに常に目を向けています。
税務署からの一本の電話や一通の通知が、追加の税負担につながるケースも少なくありません。
相続税申告では、
- 財産の把握漏れがないか
- 評価方法が適切か
- 税務調査を想定した説明資料が整っているか
といった点を、申告前にしっかり確認しておくことが大切です。
当サイトでは、税務調査を見据えた相続税申告をサポートしています。
「これで本当に大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じたら、早めに専門家へご相談ください。
【出典】
令和6事務年度における相続税の調査等の状況(令和7年12月・国税庁)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sozoku_chosa/index.htm






