相続税の申告の状況
国税庁は令和3年分相続税の申告状況を公表しました。
それによりますと、令和3年（令和3年1月1日から12月31日）に亡くなった人（被相続人）は、過去最高の令和元年（138万1,093人）を上回る143万9,856人で、このうち相続税の課税対象被相続人数は、前年比11.6％増の13万4,275人となりました。
課税割合も増加
課税割合は9.3％（令和2年分は8.8％）となり、前年より0.5ポイント増加し、令和元年の相続税の基礎控除引下げ以降では最も高く、初めて9％台に入り、相続税が発生するのは100人に9人という状況になりました。
なお、今回の対象は、令和4年10月31日までに提出された相続税額のある申告書に基づいて集計しております。 また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、18兆5,774億円で前年比13.3％増加し、税額は2兆4,421億円で同16.8％増加しました。
被相続人1人あたりでみてみますと、課税価格が前年比1.6％増の1億3,835万円（相続税額のない申告書に係る価格は510万円）と微増でしたが、税額は1,819万円で同4.7％増加しました。 また、相続財産額の構成比は、「現金・預貯金等」が34.0％、「土地」が33.2％、「有価証券」が16.4％、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.3％、「家屋」が5.1％の順になりました。
土地の路線価の影響も
「現金・預貯金等」の構成比は、9年前の令和元年分の25.6％（2兆9,988億円）から令和3年分は34.0％（6兆6,846億円）と、8.4ポイント上昇し、「有価証券」も令和元年分の12.2％（1兆4,3,351億円）から令和3年分は16.4％（3兆2,204億円）と4.2ポイント上昇しました。 一方で「土地」の構成比は、令和元年分の45.8％（5兆3,699億円）から令和3年分は33.2％（6兆5,428億円）と12.6ポイント下落しました。
この要因として、令和3年分の路線価が6年ぶりに下落したことにあるとみられております。
出典
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/sozoku_shinkoku/index.htm
